アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患のひとつです。
乳幼児期に始まることが多く、強いかゆみをともなう湿疹ができ、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら慢性的に経過していきます。
これにより生命がおびやかされることはありませんが、激しいかゆみに悩まされるため「イライラする」、「気分が滅入る」といった精神的ストレスが強く、生活の質(QOL= Quality of Life)への影響を十分考慮する必要があります。
アトピー性皮膚炎は世界的にも増加傾向にあり、近年は小中学生や成人になってから発症するケースもふえてきました(成人型アトピー性皮膚炎)。
体質的なものと、生活環境や精神的ストレスが複雑に関係しあって発症しますが、その原因やメカニズムは現在も十分には分かっていません。
症状や経過には個人差が大きいので、治療効果をみながら注意深く治療する必要があります。
●アレルギー反応
ハウスダスト(ダニ、カビなど家庭内のほこり)、スギ・ブタクサなどの花粉、卵や牛乳などの特定の食品、住宅建材の処理剤などによるアレルギー反応が深くかかわります。
こうした原因物質をアレルゲンといいますが、アレルゲンや発症する条件は患者さんによってさまざまです。
●体質
生まれつきアレルギー反応を起こしやすい体質があり、これを「アトピー素因(アトピー体質)」と呼びます。本人はアレルギー性結膜炎や鼻炎、気管支喘息を合併していることがあり、家族にもこれらやアトピー性皮膚炎の病歴がよくあります。
また、皮膚に関しては「乾燥肌(ドライスキン)」という特徴があります。乾燥した皮膚は外部からの刺激に敏感で、微生物の侵入を防ぐバリアとしての働きが低下しています。
●ストレス
怒り・抑うつ・不安・欲求不満などの精神的な要因で、アトピー性皮膚炎を発症したり、症状が悪化することがあります。
症状は“かゆみ”につきるといえます。
激しいかゆみをともなう湿疹は、どの部位にも出現しますが、年代によって現れやすい場所が異なります。
湿疹ができると、かゆいので掻く → 掻くことで皮膚が傷つく → 傷口から雑菌が侵入し症状をさらに悪くする、という悪循環がしばしばみられます。顔や手など目立つところの症状がひどくなると、人前に出ることが嫌になり、社会生活に支障をきたす場合もあります。しつこいかゆみのため精神的ストレスを訴える場合も少なくありません。
●環境要因
ダニ、ハウスダスト、カビなど、アレルゲンのある環境。特にダニはアトピー性皮膚炎に深く関係します。
●季節の要因
・冬に悪化するタイプ
空気が乾燥して肌も乾燥するため、かゆみがひどくなる。
・夏に悪化するタイプ
汗などが刺激となって、かゆみが強くなる。
●皮膚への刺激
髪の毛、ふとんや衣類などの繊維類
石鹸や香水などの化粧品類
汗や唾液などの分泌物 など
●その他
睡眠・食事などの生活習慣の乱れ
疲労
ストレス など
●生活環境や生活習慣の改善
生活環境や生活習慣を改善することが大切です。
●住まい
清潔、適温、適湿をはかる。
部屋の中のフケ、カビ、ダニなどアレルギーの原因物質を取り除くために掃除をこまめにする。特に寝室の掃除や換気、寝具のダニ対策は十分に。
●衣類など
皮膚を刺激しない衣服や寝具を使用する。
●入浴
皮膚を清潔に保つ。皮膚は強くこすらない。かゆみを生じるほどの熱い湯は避ける。
石鹸やシャンプーは洗浄力が強すぎるものは避け、残らないようによくすすぐ。
●日光
紫外線に気をつける。
●その他
自分の症状にあった保湿剤をこまめに塗る。
爪を短くし、なるべく湿疹をかかない。
●薬物療法
アレルギー反応や炎症を抑えるために、医師の指示にしたがって薬を用いて治療をします。
アトピー性皮膚炎の症状や程度は一人ひとり異なるため、治療方法もさまざまです。医師の診察を受け、気長に続けることが大切です。
おおさか循環器内科・生活習慣病クリニック
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