心臓には4つの部屋があります。上側の右心房と左心房が血液を受け入れ、下側の右心室と左心室が血液を送り出しています。これら4つの部屋がリズミカルに収縮することで、心臓は絶え間なく全身に血液を送りだしているのです。
このリズムを作っているのが心臓の上部にある洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる部分で、これが1分間に60~80回の電気刺激を発生させて心臓を規則正しく収縮させています。
不整脈とは、この電気刺激が正常に働かなくなり、脈が不規則になってしまう状態のことで、動悸や息苦しさを感じ、ひどくなると血圧が低下し、失神やショックを起こすこともあります。
不整脈の原因としてもっとも多いのは、加齢によるものです。年をとるとだれでも少しずつ不整脈になっていきます。
次に、ストレス、過労、睡眠不足が原因になってきます。
基本的には狭心症や心筋梗塞とは別の病気ですが、すでに心臓の病気があると、不整脈になりやすいのも事実です。
不整脈には、脈が不規則になる、速くなる、ゆっくりになるなどの症状があります。
●脈が不規則になる場合
心房が痙攣することによって起こる「心房細動」が考えられ、治療には血栓を予防する薬としてアスピリンなどが使われます。
●脈が速くなる場合
内服薬の注射や外科的手術が行われますが、一刻も早い治療が必要となります。
●脈がゆっくりになる場合(1分間に40以下程度)
めまい、ふらつき、息切れが起こったり、失神することもあり、ペースメーカー埋め込み手術などが必要とされます。
●脈が触れなくなった場合
「心室細動」と「心停止」が考えられます。心室細動は、不整脈のなかでも危険な状態で、心臓の心室が痙攣を起こし、血流が停止し、意識がなくなります。1分間の脈拍数は300~600回になるといわれ、心臓から血液が送られないため、すぐに意識を失い、数分で脳死が始まるともいわれています。すぐに心臓マッサージを開始しなければ死亡に至る大変危険な状態です。
このように不整脈の症状は、その原因や発症部位によって異なりますが、重症な病気に至るおそれがあるので、早期に専門医の診断を受ける必要があります。
おおさか循環器内科・生活習慣病クリニック
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