「みずむし」と「たむし」は、どちらも「白癬(はくせん)」という皮膚病の俗称であり、白癬菌(はくせんきん)という糸状の真菌(カビ)が原因です。
「みずむし:足」「たむし:体」というように、感染した場所によって呼び名が変わります。
白癬菌は、皮膚の最も外側の角質層に侵入して、角質層の主成分のケラチンというたんぱく質を栄養源にして増殖します。他のカビと同様に、湿度70%以上、温度15℃以上という高温多湿の環境を好みます。梅雨時から夏にかけての時期が特に活発になります。また、体の中で高温多湿な場所といえば、やはり靴下と靴に包まれることが多い足です。そのため、足はいちばん白癬菌に感染して増殖しやすい部分になります。
では、いったいどのくらいの人がみずむしになっているのでしょうか。最近の疫学調査では、日本人の4人に1人がみずむしにかかっているといいます。また、男女比については、「みずむしはおじさんの病気」というイメージを持っている方が多いと思いますが、男性の方がやや多いもののほとんど差がないという結果が出ています。
白癬は、からだの各部分んひよっていろいろな名前で呼ばれています。
・頭部:しらくも
・体部:たむし(ぜにたむし)
・陰部:いんきんたむし
・足:みずむし
・爪:爪みずむし
原因は同じ白癬菌ですが、感染した部分によって症状は異なります。
●しらくも
男子児童に多く見られるものです。髪の毛が生えている頭皮に白っぽい10円玉程度のカサカサが生じます。強いかゆみや痛みはありませんが、爪でかくとたくさんのフケが落ち、毛が抜けやすくなります。
●たむし
最初は赤い小さなブツブツですが、時間の経過とともに赤く輪状に拡大していきます。その丸い形から「ぜにたむし」と呼ばれることもあります。中心部は正常で、輪の縁に沿ったカサカサの皮疹が特徴です。強いかゆみはありません。
●いんきんたむし
陰部が汗などで蒸れやすい夏期を中心に、男性に多い病気です。太もものつけ根やおしりなどに、縁がピンク色でうろこ状の皮疹ができます。強いかゆみが特徴で、体が温まると強くなります。
●みずむし
菌は高温多湿の場所で繁殖するため、多くは足の指の間にできます。感染すると、皮膚がうろこ状になったり、小さな水疱ができたりします。「みずむし=かゆい」というイメージがありますが、かゆみをともなわない場合もあります。
みずむしには、大きく分けて次の3種類があります。
・趾間型……足指の間の皮膚がむけたり、皮がふやけてジメジメするタイプ。多くはかゆみをともないます。
・小水疱型……足の裏や側面に小さな水疱ができるタイプ。強いかゆみをともないます。
・角化型……足の裏やふちの角質がぶ厚くなり、皮がむけたりひび割れたりするタイプ。かゆみはなく、外見もみずむしには見えません。
●爪みずむし
爪白癬という名前が一般的になっています。菌が爪の下に入って感染すると、爪が濁って光沢を失うのが特徴です。また、もろくなって欠けたり、薄くはがれたり、形がデコボコになります。手より足の爪が感染しやすい傾向があります。
白癬菌はカビの一種ですから、みずむし・たむしの予防はカビの予防法に通ずるものがあります。日常生活では次のようなことに注意してください。
●白癬菌に触れない様にする
家族にみずむしの人がいる場合は、スリッパ、タオル、足拭きマットなどを別にして菌に触れないようにします。また、体を清潔にするとともに屋内、特に床と畳の清掃をこまめにすることも大事です。
●帰宅時の足洗い
銭湯といった公共の場所でスリッパや足拭きマットを使った場合、白癬菌が足についている可能性があります。そんなときは、帰宅時に足を洗って乾燥させれば感染を予防できます。白癬菌が皮膚に付着して角質層に侵入するまで24時間かかるといわれています。
●乾燥・通気性を保つ
高温多湿の場所を好みます。ですから、みずむし予防には乾燥させ、通気性をよくすることが大切になります。特に、足の間はむれやすいので、通気性の高い靴や靴下を選ぶようにするなど、白癬菌が繁殖しにくい環境づくりを心がけましょう。
白癬菌は体の表面(皮膚)のどこにでも感染する可能性があるので、皮膚の異状に気づいたらすみやかに専門医の診察を受けるようにしましょう。
また、診察をうけてみずむしやたむしと診断された場合は、医師の指示にしたがって治療を続けることが大切です。皮膚症状が治まっても、角質層に白癬菌がひそんでいることがあり、治療を途中でやめて再発するケースはよく見られるからです。
おおさか循環器内科・生活習慣病クリニック
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